森を育てる母の木 　南部アカマツは､岩手県の県木です。マツを県木にしている県は８県と一番数が多いのですが、アカマツは岩手、岡山､山口の３県、あとは北海道がエゾマツ、群馬､島根がクロマツ、福井､愛媛がマツ、沖縄が琉球マツとなっています。 　南部アカマツは陽樹で荒れた地にも良く育ちます。岩手では山々の峰に立ち、厳しい寒さと強い風雪に耐え、その下に森を育てる『母の木』として愛されてきました。 　南部アカマツには、県北の久慈地方にある『侍浜松』、北上川源流部の岩手町にある『御堂松』県南の東磐地方にある『東山松』の３大ブランドがあります。 南部アカマツの用途 　重硬で強度が高い割には加工性にすぐれており、住宅用の梁などの建築材､土木用材として利用されてきました。特に目の詰んだ天然木は化粧梁､化粧垂木等として人気があり､熊本城の修復に使われたり､寺社仏閣用材として使われたりします。 　また、樹脂成分が多いので､敷居､フローリング､床板などに適しており、特に、剣道場ではアカマツ平角を縦使いにした床板が一番良いといわれます。 　これまでマッチの軸木､経木､マツ炭、リンゴ箱、パルプ材など、さまざまな用途にたくさん使われてきましたが、最近では、その白い色とやわらかい肌触りが見直され､住宅用の内装材や子供用玩具、家具などに人気が出てきました。 　南部アカマツの泣き所 　優れたところも多い南部アカマツですが、最近はちょっと元気がありません。と言うのも、アメリカから輸入される米松や、ロシアから来るアカマツ､カラマツなどの北洋材､北欧からやって来る集成材などに、アカマツ一般材はすっかりその居場所を奪われてしまったのです。 　なにしろ、アカマツは重いし、ねじれるし、節は大きいし、おまけに青カビが入るから春から秋までの暑い時期には出て来ない季節限定商品だし……と、大工さんに嫌われてしまったのです。 　しかも、最近では製紙会社の古紙利用率が向上して、アカマツのパルプ材を使わなくなってきました。 　山では行き先を失ったアカマツが、まさにゴロゴロしています。 　誰か、アカマツの有効利用を考えてみませんか。原材料のアカマツはいっぱいあります。いい使い方を考えれば､一攫千金も夢ではありませんゾ……タブン。いいアイディアがあったらご一報ください。 　松くい虫からアカマツを守ろう 　松くい虫がジワジワと北上し、盛岡市の隣町まで来てしまいました。松を枯らす松くい虫は、マツノザイセンチュウという１ミリにも満たないような線虫です。これがマツノマダラカミキリというカミキリムシにくっ付いていっしょに飛び回り、あっちのアカマツ､こっちのアカマツと枯らしてしまいます。 　全国で松くい虫が来ていないのは、青森県だけです。しかし、青森県はヒバの国、アカマツはそれほどありませんし、多分アカマツは木だと思っていないかもしれません。 　健全なアカマツの純林が残っているのは、もはや岩手県の県北地区だけとなりました。何とかみんな力を合わせて松くい虫から､アカマツを守りましょう。

アカマツで頑張っている業者さん
アカマツ製材品 （平角・化粧垂木・敷居等）	�且ｭ児島屋・三陸町 �牛ｲ々長製材所・住田町 �巨�崎製材所・川崎村 �且ﾂ村製材所・雫石町 �挙�和木材・滝沢村 �笈�村製材所・岩手町 �活鼬ﾋ製材所・一戸町 木村産業・一戸町 �拠ｷ谷川製材所・宮古市
アカマツ梁丸太	荒川商事�求E二戸市 県内各森林組合
アカマツ内装材 （腰板・天井板・床板等）	協同組合ノルトヴィン・岩手町 �且ｭ児島屋・三陸町 �巨逞t材木店・室根村 �且R崎木材店・山形村 �牛ｲ々長製材所・住田町 �挙�和木材・滝沢村 九戸村森組・九戸パイン �虚H合製材所・大船渡市
アカマツ集成材 （造作用集成材）	九戸村森組・九戸パイン �且R崎木材店・山形村
アカマツ家具・木工品等	�許ﾘ売内工房・久慈市 �巨逞t材木店・室根村 大野村木工品各種
その他アカマツ製品 （木質トレイ・経木・着火材）	いわて森のトレー生産協組・久慈市 丸サ経木・東和町 岩手林産加工�梶E新里村

お問い合わせは、いわての木編集部まで。ringyo@iwatenoki.jp